市原の大こぶし
所在地 東城町内堀市原
指定年月日 昭和56年8月24日
根回り周囲 1.82m
胸高幹囲 1.75m
樹高 約15m
内堀字市原の県道内堀備後八幡停車場線と内堀川に挟まれた傾斜地に自生している。
コブシは、もくれん科に属する落葉高木で、早春に葉に先だち白色大形の花が咲く。実は小児の拳に似ている。地元では、昔から、花のつく方向や密度によって、その年の豊作・凶作を占った。全体に花がよくつく年は豊作、花が上を向くときは雨が少なく、下に向くときは雨が多いといわれる。
大古屋の大モミジ
所在地 東城町内堀大古屋
指定年月日 昭和47年2月21日
第1号
根回り周囲 3.0m
胸高幹囲 2.5m
樹高 約10m
第2号
根回り周囲 3.0m
胸高幹囲 2.8m
樹高 約10m
内堀の大古屋谷の中央、大古屋たたら跡に約50メートルの間隔で、南北に並んでそびえている。南にあるのが第1号、北にあるのが第2号である。
樹種は、第1号がイロハモミジ、第2号がオオモミジである。たたらの目印として鑑賞され、大切にされてきたためか、2樹とも珍しい大木で、樹形が球形で美しい。春の若葉と秋の紅葉は特にすばらしい。
妙楽寺のイチイ
所在地 東城町内堀真倉穂
指定年月日 平成5年8月31日
根回り周囲 4.7m
胸高幹囲 2.0m
樹高 約8m
内堀妙楽寺境内に本樹は所在する。主幹は地上1.7m付近で分岐が始まり、傘状の樹冠を形成する。樹皮上には、コケ類やノキシノブが着生している。北及び東側に大きな枝を切った跡が見られるが、全体として樹勢は良好である。
イチイは東アジアの日本をとりまく地域に分布する雌雄異株の針葉樹で、日本では、北海道・本州・四国・九州の山地に分布する。中国地方では、比婆山山系の山頂域に見られるにすぎない。幹囲2mを越える木は、県内で8件のみであり、まことに貴重である。
摩利支神社の大ふじ
所在地 東城町小奴可字要害
指定年月日 昭和47年11月25日
根回り周囲 2.60m
胸高幹囲 2.70m
樹高 約15m
小奴可の亀山城跡の北側のふもとにあり、摩利支神社の神木である6本の杉に巻き付いている。
この地方で、モチフジとキフジが生育するが、本樹はモチフジであり、別名ノダフジという。モチフジは、皮が強靱であることから、ものをゆわえたり、皮で糸を作りフジ布を織ったりするのに、古くから使用されていた。摩利支神社の神木として。スギとともに古くから保存されたため古木になったものである。
八面荒神社( やつおもてこうじんしゃ) の大ふじ
所在地 東城町加谷加谷原
指定年月日 昭和47年11月25日
根回り周囲 2.70m
胸高幹囲 2.70m
樹高 約15m
加谷西上の市道沿いの、八面荒神社の隣接のエゾエノキの大木に巻き付いている。
根元から複雑に別れている枝が、地上1メートルでさらに20数本に分かれる。樹種は、モチフジで別名ノダフジという。樹齢約200年と推定され、荒神社の神木としてエゾエノキとともに古くから保存されたため古木になったものと思われる。
板井谷のカツラ
所在地 東城町小奴可板井谷
指定年月日 平成7年10月30日
根回り周囲 3.3m
胸高幹囲 2.7m
枝張り 各方向に6~7m
樹高 約23m
小奴可板井谷の市道沿いの荒神社と金屋子社の前にある。
カツラは、雌雄異株の落葉高木で、北海道から九州の山地に分布し、主として渓畔に生える。対生する心臓形の葉には芳香があり、秋には美しく黄葉する。このカツラはそれほどの大木ではないが、付近に「板井谷たたら跡」が存在し、鑪の守護神である金屋子神のかかわりから、民俗学的に意義が大きい。
金屋子神は、もと播磨の岩鍋(兵庫県)で鉄器を作っていたが、製鉄の土地を求めて、白鷺に乗って出雲の比田(島根県)に至り、そこに生えていたカツラの木に伝って降臨した。そして村人の協力を得ていくつかの鑪を築き、製鉄の技術をこの地方に広めたと伝えられている。この伝承からカツラは鑪の神木とされ、中国地方の各地にある金屋子神社には、ときどきカツラの木が植えられている。